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甲状腺ホルモン(FT4)検査とは?費用・やり方・わかることまで徹底解説

甲状腺ホルモン(FT4)検査とは?費用・やり方・わかることまで徹底解説
目次

甲状腺ホルモン(FT4)検査とは?目的や仕組みを解説

甲状腺ホルモン(FT4)検査は、体内の代謝やエネルギーのバランスを調整する重要なホルモンである「FT4(遊離サイロキシン)」の量を調べる血液検査です。

健康診断や人間ドックの一項目として実施されることも多く、体調不良の原因を探るうえで役立つことがあります。

甲状腺ホルモンは、首にある甲状腺という器官から分泌され、全身の細胞の働きを活発にする作用があります。中でもFT4は、生理的に活性のある「フリー(遊離)」の状態で存在しているため、体の中で実際に働いているホルモンの量を正確に把握するにはFT4の測定が重要です。

ホルモンは多すぎても少なすぎても不調を引き起こします。FT4が過剰に分泌されていれば動悸や体重減少、逆に不足していると疲れやすさや体重増加といった症状が現れることがあります。こうした状態を早期に見つけるために、FT4検査が役立ちます。

なお、FT4だけで判断するのではなく、通常は脳下垂体から分泌される「TSH(甲状腺刺激ホルモン)」や「FT3(遊離トリヨードサイロニン)」とセットで測定されることが一般的です。これにより、より正確なホルモンバランスの評価が可能となります。

FT4検査で何がわかるの?診断につながる病気とは

FT4検査を受けることで、体内の甲状腺ホルモンの分泌状態を把握することができます。この検査でホルモンの数値が高かったり低かったりすると、甲状腺に関する病気が疑われます。

FT4が高い場合、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態が考えられます。これは「甲状腺機能亢進症」と呼ばれ、代表的な疾患にはバセドウ病があります。

主な症状としては、動悸や体重減少、暑がり、イライラ感などが挙げられます。反対にFT4が低い場合は、「甲状腺機能低下症」が疑われ、橋本病や粘液水腫などが原因となることがあります。この状態では、疲労感、寒がり、むくみ、便秘などの症状が現れやすくなります。

また、TSHと組み合わせて検査することで、潜在的な異常も見つけやすくなります。たとえば、FT4の数値が正常範囲内でも、TSHの値に異常があれば、軽度の機能異常や初期の病気が隠れている可能性があります。

このように、FT4検査は病気の有無を見極めるだけでなく、その進行具合や程度を知るうえでも重要な役割を果たします。気になる症状がある方や家族に甲状腺の病気がある方は、一度検査を受けてみるとよいでしょう。

甲状腺ホルモン(FT4)検査のやり方と流れ

FT4検査は血液を採取して行う非常にシンプルな検査です。特別な準備が必要ないことが多く、日常生活の延長で受けられるため、気軽に実施できるのが特徴です。

検査の流れとしては、まず採血を行い、血清中のFT4の濃度を測定します。採血は腕の静脈から行うのが一般的で、数分程度で終了します。空腹である必要は基本的にありませんが、医療機関の指示に従ってください。

採取された血液は専用の分析機器で検査され、通常2~3日程度で結果が出ます。検査方法には日内変動の影響が少ない「CLIA法」などが使用されており、信頼性の高いデータが得られるようになっています。

注意点として、FT4は身体の状態や他の病気の影響を受けることがあるため、検査結果はTSHやFT3とあわせて総合的に判断されます。また、妊娠中や特定の薬を服用している場合は、数値の解釈に注意が必要です。

このように、FT4検査は手軽でありながら、甲状腺機能の状態を的確に把握するために欠かせない検査です。検査の負担も少ないため、年に一度の健康チェックとして取り入れてみるのもよい選択と言えるでしょう。

FT4検査の費用はいくら?保険適用や診療報酬について

FT4検査の費用は、どこで受けるかや検査の目的によって変わります。健康保険が使えるケースと、自費になるケースがあるため、事前に確認しておくと安心です。

病院で体調不良などの診察をきっかけに検査を行う場合は、医師の判断により健康保険が適用されます。自己負担は通常、数百円から1,000円ほどですが、ほかの診察や検査と合わせて料金がかかることもあります。

一方、人間ドックや健康診断でオプションとして受ける場合は保険が使えないため、自費となります。目安としては、1,500円から3,000円前後になることが多いです。検査を申し込む前に、料金表を確認しておくと安心です。

また、FT4検査自体に特別な道具や準備が必要なわけではないので、追加の費用がかかることはあまりありません。ただし、検査結果によっては、再検査や別の検査が必要になることもあります。

  • 甲状腺ホルモン検査:2,200円(税込)

甲状腺ホルモン(FT4)検査を受けるべき人は?

FT4検査は、すべての人が対象というわけではありませんが、特定の症状や病歴がある方にとっては非常に重要な検査です。見た目には健康そうに見えても、体の中で甲状腺ホルモンのバランスが崩れていることは珍しくありません。

まず、疲れやすい、体重の増減が激しい、寒がり・暑がり、動悸、むくみ、イライラ、不眠といった不調が続く方は、一度検査を受けてみる価値があります。こうした症状は、甲状腺ホルモンが多すぎる、または少なすぎることによって起きることがあるからです。

また、40歳以上の方や、家族に甲状腺疾患のある方は、年に一度の定期的な検査が勧められます。とくに女性は甲状腺の病気にかかりやすいため、年齢を重ねるごとに検査の重要性が高まります。

さらに、すでに高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方、精神的ストレスやうつ状態が長く続いている方も対象になります。TSHの分泌はストレスや睡眠障害によって変化することがあり、その影響でFT4の値が異常になるケースもあるからです。

医師がFT4検査を勧める場合には、こうした背景があることが多いため、自覚症状が軽くても遠慮せずに相談してみてください。特に女性、妊娠希望者、出産経験のある方はホルモンバランスの変化が起こりやすく、定期的なチェックが大切になります。

FT4検査は痛い?つらい?検査時の注意点

FT4検査は、通常の採血と同じ方法で行われるため、特別な痛みや負担はほとんどありません。医療機関で日常的に行われている検査の一つであり、時間もかからず、初めての方でも安心して受けることができます。

実際の検査では、腕の静脈から数ミリリットルの血液を採取するだけです。針を刺す瞬間にチクッとした感覚がありますが、それ以外に強い痛みを感じることは少ないでしょう。採血の後は絆創膏を貼って終了となり、すぐに日常生活に戻れます。

ただし、まれに採血後に内出血や軽い腫れが出ることがあります。特に血管が細い方や、皮膚が敏感な方は注意が必要です。その場合は、医師や看護師にすぐ伝えて、必要に応じて冷やすなどの対応を行いましょう。

検査当日の注意点としては、過度の空腹や脱水状態を避けることが挙げられます。水分は適度に取り、体調を整えたうえで受診するようにしてください。

また、検査の直前に激しい運動をすると一時的にホルモン値に影響を与えることがあるため、安静な状態で受けることが望ましいです。

こうした点に気をつければ、FT4検査は誰でも無理なく受けられる検査です。大切なのは、検査の内容を正しく理解し、自分の体の状態を知ろうとする姿勢です。

FT4検査をおすすめする理由

FT4検査は、甲状腺ホルモンのバランスを調べるために非常に有効な検査です。特に自覚症状がはっきりしない段階でも、体内でホルモンの乱れが起きている可能性があるため、早期のチェックが重要です。

甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝やエネルギーの使い方に深く関わっています。そのため、ホルモンの量が少しでも乱れると、疲れやすくなったり、体温が下がったり、心拍数に変化が現れるなど、さまざまな症状が現れることがあります。

ただし、これらの症状は他の病気と似ていることが多く、見過ごされやすいのが現実です。

ここでFT4検査を受けておけば、甲状腺機能の状態を客観的に把握することができます。特にFT4は、実際に体内で作用している「遊離型ホルモン」の量を反映しているため、全体のホルモンバランスを正確に評価するのに適しています。

また、甲状腺疾患は女性に多くみられ、出産や閉経といったホルモンの変化が大きいタイミングで発症することも少なくありません。そのため、30代後半から40代にかけては定期的な検査が勧められます。

このように、FT4検査は体調不良の原因を探る手がかりになるだけでなく、将来の病気を予防するためのツールとしても有効です。年に一度の健康チェックとして、積極的に取り入れておくと安心です。

甲状腺ホルモン検査でよくある質問

ここでは、甲状腺ホルモン検査、特にFT4検査に関して患者さんからよく寄せられる疑問についてお答えします。

空腹で行ったほうがいいですか?

いいえ、基本的にFT4検査は食事の影響をほとんど受けないため、空腹でなくても問題ありません。ただし、ほかの血液検査と同時に実施する場合は、医療機関の指示に従ってください。

どのくらいの頻度で受ければいいですか?

特に症状がない方でも、40歳を過ぎたら年に1回程度の検査が望ましいでしょう。すでに甲状腺に異常があると診断された方は、医師の指示に従い、定期的にフォローアップを受けましょう。

妊娠中でも検査は可能ですか?

はい、妊娠中でも安全に行える検査です。むしろ、妊娠中はホルモンバランスが大きく変化するため、必要に応じて検査を受けることが推奨されます。胎児の発育にも関わるため、早めのチェックが大切です。

異常値が出たらすぐに治療が必要ですか?

すぐに治療が必要かどうかは、FT4だけでなくTSHや他の検査結果を総合的に判断する必要があります。軽度の異常や一時的な変動であれば、経過観察となることもあります。医師の診断に従って慎重に判断しましょう。

甲状腺がんもFT4検査でわかりますか?

FT4検査では甲状腺のホルモン分泌状態を調べることが主な目的であり、がんの有無を直接判定するものではありません。ただし、異常なホルモンの動きから他の精密検査が必要と判断されることがあります。

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